結婚前や婚約中に相手が不貞をしていたことが、結婚後に発覚することがあります。特に、結婚式を挙げた直後や新婚生活を始めた直後に発覚した場合、「不倫の慰謝料だけでなく、結婚式費用や新生活準備費用まで請求できないか」と考えるのは自然です。

結論として、単なる交際中の浮気や、結婚後に始まった不貞だけを理由に、結婚式費用まで当然に請求できるわけではありません。一方で、婚約成立後に相手が別の人と性的関係を持ち、それを知らなければ結婚式を挙げず、新婚生活の準備もしなかったといえる場合には、結婚式費用や家具家電・引越費用などが損害として認められる余地があります。

この論点で重要なのが、佐賀地裁平成25年2月14日判決です。同判決は、婚約中から婚姻後まで不貞関係が続いていた事案で、結婚式費用、新婚生活のための費用、慰謝料などを損害として認めました。ただし、祝儀、売却代金、結納金などの控除も行われており、「支出した総額をそのまま全額請求できる」という意味ではありません。

  • 婚約成立後の不貞は、婚約相手に対する守操義務違反として問題になることがあります。
  • 結婚式費用まで請求するには、不貞を知っていれば挙式や新生活準備をしなかったといえる事情が重要です。
  • 請求額は、結婚式費用や家具家電の総額ではなく、祝儀・売却代金・結納金などを控除した純損害で整理します。
  • 結婚後に初めて始まった不貞では、結婚式費用の請求よりも慰謝料・財産分与の整理が中心になりやすいです。
  • 請求する側も請求された側も、婚約成立時期、不貞時期、発覚時期、費用支出時期を時系列で整理することが重要です。
執筆者:弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

  • 2009年 京都大学法学部卒業
  • 20011年 京都大学法科大学院修了
  • 2011年 司法試験合格
  • 2012年 森・濱田松本法律事務所入所
  • 2016年 アイシア法律事務所設立

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結婚前・婚約中の不貞で結婚式費用まで請求できる場合がある

結婚前の浮気といっても、法律上の評価は一つではありません。単なる交際中なのか、婚約が成立した後なのか、すでに婚姻届を出した後なのかによって、請求できる内容や根拠が変わります。

単なる交際中の浮気は慰謝料請求が難しいことが多い

婚約が成立する前の交際段階では、相手が別の人と交際していたり、性的関係を持っていたりしても、それだけで直ちに法律上の損害賠償責任が認められるとは限りません。交際中の誠実さの問題と、法的に保護される婚約上の義務違反とは区別されるためです。

もっとも、結婚意思がないのに結婚を前提とするように装って金銭を出させた場合や、重大な虚偽説明がある場合には、別の法的問題になる可能性があります。この記事で扱う中心は、婚約が成立した後に、婚約相手以外の人と性的関係を持ったケースです。

婚約成立後は守操義務違反が問題になる

婚約が成立すると、当事者は将来結婚するという合意を誠実に履行する義務を負います。その一内容として、婚約相手以外の人と性的関係を持たない義務、いわゆる守操義務が問題になります。

婚約中に相手が別の人と性的関係を持った場合、慰謝料請求だけでなく、その不貞が原因で結婚式や新生活準備が無駄になったといえるかが問題になります。特に、相手が不貞を隠したまま結婚式を進め、結婚直後に発覚して婚姻関係が破綻したような場合には、結婚式費用まで損害として主張できる可能性があります。

結婚後に始まった不貞とは分けて考える

結婚後に初めて不貞が始まった場合、結婚式費用はすでに実施された結婚式の費用です。そのため、離婚になったからといって、結婚式費用を当然に返還してもらえるわけではありません。

この点は、不倫で離婚したら結婚式費用やご祝儀を返す必要がある?でも整理しています。婚約中から不貞を隠していた場合は、結婚式費用の支出自体が不貞と結び付く可能性があるため、通常の結婚後不貞とは分けて検討する必要があります。

時期・状況 主な請求の考え方 結婚式費用まで請求できる可能性
婚約前の交際中 原則として法的責任は限定的 通常は低い
婚約成立後、挙式前 守操義務違反、婚約破棄の慰謝料・費用損害 式場キャンセル料や準備費用が問題になり得る
婚約中から婚姻後まで不貞が継続 婚約中の不法行為と婚姻破綻の損害 結婚式費用・新生活準備費用まで問題になり得る
結婚後に初めて不貞が発生 不貞慰謝料、離婚慰謝料、財産分与 一般には高くない

結婚式費用まで請求するために重要な3つの前提

婚約中の不貞があったとしても、結婚式費用まで請求するには、いくつかの前提を整理する必要があります。特に重要なのは、婚約成立、不貞の内容、不貞と費用支出の因果関係です。

婚約が成立していたこと

まず、相手との間に法的に保護される婚約が成立していたことが必要です。婚約は、結納や婚約指輪がなければ成立しないものではありませんが、将来結婚する合意が客観的に分かる事情があるほど説明しやすくなります。

婚約成立を示す事情としては、プロポーズと承諾、両親への挨拶、式場予約、結婚指輪や婚約指輪の購入、結納、両家顔合わせ、招待状の準備、新居探しなどがあります。婚約成立時期が曖昧だと、不貞が婚約前だったのか婚約後だったのかが争われます。

婚約成立後に性的関係を持ったこと

次に、相手が婚約成立後に、婚約相手以外の人と性的関係を持ったことを示す必要があります。単なる連絡、食事、相談、好意のやり取りだけでは、慰謝料や結婚式費用の請求を基礎づけるには足りないことがあります。

もちろん、証拠の内容は事案ごとに異なります。メールやLINE、写真、ホテル利用をうかがわせる資料、相手の自認、第三者とのやり取りなどから、不貞の時期、回数、継続性を整理します。婚約成立前後をまたぐ関係であれば、いつからいつまで続いていたのかを特に明確にする必要があります。

不貞を知っていれば挙式・新生活準備をしなかったといえること

結婚式費用まで請求するうえで最も重要なのは、不貞を婚約中に知っていれば、婚約を破棄し、結婚式を挙げず、新生活準備もしなかったといえることです。

たとえば、婚約中から不貞が継続していたにもかかわらず、それを隠したまま結婚式場を予約し、ドレス代や新居費用、家具家電を支出し、結婚直後に発覚して離婚せざるを得なくなった場合、これらの費用は不貞と相当因果関係のある損害として主張しやすくなります。

一方で、不貞を知った後も十分な検討期間を経て結婚した場合、結婚から長期間経過して別の理由で離婚した場合、結婚式費用が相手の不貞と関係なく支出されたと評価される場合には、結婚式費用まで請求することは難しくなります。

佐賀地裁平成25年2月14日判決のポイント

婚約中の不貞と結婚式費用の請求を考えるうえで、佐賀地裁平成25年2月14日判決は重要です。もっとも、この裁判例はあくまで個別事情に基づく判断であり、婚約中の不貞があれば常に同じ金額が認められるというものではありません。

事案の概要

この事案では、原告と被告が婚姻届を提出し、結婚式を挙げ、新婚旅行にも行った後、新婚生活中に被告と他の女性との多数のメールが発覚しました。被告は、その女性との性的関係を認め、原告は婚姻生活の継続は不可能と判断して、婚姻後短期間で協議離婚に至りました。

原告は、婚約中から婚姻後まで被告が他の女性との関係を継続していたとして、婚姻前に知っていれば挙行しなかった結婚式費用、新婚生活のための家具家電・引越費用、慰謝料などを請求しました。

婚約は結納前から成立していたと判断された

被告側は、正式な婚約は結納の時点で成立したと主張しました。しかし、裁判所は、結納がなくても婚約は成立し得るとし、両親への結婚申入れや式場予約などの事情から、遅くとも式場を予約した時点で婚約が成立していたと判断しました。

この判断から分かるのは、婚約成立時期は形式だけで決まるわけではないということです。結納前でも、両家の承諾、式場予約、結婚準備などが進んでいれば、婚約成立後の不貞として問題になる可能性があります。

婚約中の守操義務違反と損害が認められた

裁判所は、婚約が成立した以上、当事者は正当な理由なく将来結婚する合意を誠実に履行すべき義務を負い、婚約相手以外の人と性的関係を持たない守操義務を負うとしました。

そのうえで、被告が婚約成立後に他の女性と相当回数の性的関係を持ったと認定し、原告がその事実を婚約中に知っていれば、婚約を破棄し、結婚式を挙げず、新婚生活の準備もしなかったであろうと判断しました。これにより、結婚式費用や新婚生活準備費用が損害として認められる余地が示されました。

認められた損害と控除されたもの

同判決では、家具・電化製品・引越費用、結婚式費用、慰謝料、弁護士費用が問題になりました。ただし、支出した金額がそのまま全額認められたわけではありません。祝儀で購入したもの、売却処分代金、結納金などが控除されています。

項目 裁判所の整理 実務上のポイント
家具・電化製品・引越費用 購入費等から祝儀購入分と売却代金を控除し、129万5414円を損害とした 新生活に必要な支出でも、残存価値や売却代金が問題になる
結婚式費用 ドレス代88万2210円を損害とした 祝儀から支払った費用は控除され得る
慰謝料 200万円を認めた 婚約中から婚姻後までの背信行為、新婚直後の発覚、精神的苦痛が考慮された
結納金 100万円を損害から控除した 婚姻後短期間で破綻した事情などから損益相殺の対象とされた
弁護士費用 40万円を認めた 認容額や事案内容に応じて一部が認められることがある
最終認容額 357万7624円 総支出額ではなく、控除後の損害として整理されている

婚約中の不貞について他の裁判例も含めて確認したい場合は、婚約破棄の裁判例|正当理由・慰謝料・費用負担の判断基準も参考になります。

請求できる可能性がある費用と請求が難しい費用

婚約中の不貞で結婚式費用まで請求する場合、費目ごとに整理することが不可欠です。大切なのは、支出した総額ではなく、その不貞がなければ支出しなかったといえる費用か、現在も価値が残っていないか、他から補填されていないかです。

結婚式費用

結婚式費用のうち、式場代、衣装代、写真、演出、招待客対応費用などが問題になります。ただし、すでに参列者から祝儀を受け取っている場合や、相手も費用を負担している場合には、損益相殺や実質負担額の問題が出ます。

たとえば、結婚式費用の総額だけを根拠に請求すると、祝儀や相手の負担分を無視した過大請求になることがあります。請求する場合は、自分が実際に負担した金額、祝儀の入金額、返金の有無、どの費用を誰が支払ったかを整理しましょう。

新生活準備費用

新居の契約費用、引越費用、家具家電、寝具、カーテンなどは、結婚生活を始めるために通常必要な費用として問題になることがあります。ただし、手元に残って使える物、売却できた物、実家で利用できる物については、全額を損害とすることは難しくなります。

婚約破棄や婚約中不貞による新生活準備費用の請求では、婚約破棄で結婚式キャンセル料・準備費用は誰が払う?で扱うように、必要性、時期、契約名義、返金・売却可能性を細かく確認する必要があります。

慰謝料

婚約中の不貞により、婚約者への信頼が大きく裏切られ、結婚直後に婚姻関係を継続できなくなった場合には、慰謝料請求が中心的な問題になります。慰謝料額は、婚約期間、交際期間、不貞の回数や期間、発覚時期、結婚式の有無、婚姻関係への影響、精神的苦痛の程度などを踏まえて判断されます。

佐賀地裁平成25年2月14日判決では慰謝料200万円が認められましたが、これは当該事案の具体的事情に基づくものです。婚約中の不貞が一度あったから必ず200万円になるわけではなく、証拠と事情によって増減します。

ご祝儀・結納金・売却代金は控除されやすい

結婚式費用や新生活費用を請求するときは、控除要素に注意が必要です。祝儀で支払った費用、家具家電の売却代金、結納金、返金されたキャンセル料などを無視して請求すると、実際の損害額より高い請求になってしまいます。

控除・調整されやすいもの 理由 確認資料
ご祝儀・結婚祝い 費用支出を補填した利益として扱われることがある ご祝儀帳、入金口座、使途メモ
結納金 婚姻を前提に受け取った利益として控除されることがある 結納品目録、受領書、送金履歴
家具家電の売却代金 処分により回収できた金額は損害から差し引かれやすい 買取明細、フリマアプリ履歴、振込記録
式場や業者からの返金 返金済み部分は損害として残らない キャンセル明細、返金通知、カード明細
相手がすでに負担した費用 二重取りを避けるため調整される 領収書、振込履歴、負担割合の合意

結納金や婚約指輪の返還が同時に問題になる場合は、婚約破棄で結納金・婚約指輪は返還が必要?も確認してください。

請求が難しくなりやすいケースと反論ポイント

婚約中の不貞を理由に結婚式費用まで請求された場合でも、常に支払義務があるわけではありません。請求された側は、婚約成立時期、不貞時期、因果関係、損害額、控除要素を順に確認する必要があります。

不貞が婚約成立前だった場合

性的関係があったとしても、それが婚約成立前の交際段階にとどまる場合、婚約上の守操義務違反とはいえない可能性があります。婚約成立時期が争点になる場合は、プロポーズ、式場予約、両家挨拶、結納などの前後関係を確認します。

もっとも、婚約前から続いていた関係が婚約成立後も継続した場合には、婚約後の部分が問題になります。「関係が始まった時期」だけでなく、「いつまで続いていたか」を確認することが重要です。

不貞を知った後も結婚した場合

婚約中に不貞を知ったうえで、それでも結婚式を挙げ、婚姻生活を続けた場合には、結婚式費用との因果関係が弱くなることがあります。この場合、結婚式費用まで請求するには、なぜなお損害といえるのかを追加で説明する必要があります。

反対に、不貞の全貌を知らされず、軽い関係だと説明されて結婚したが、後から性的関係や継続性が判明したという場合には、知っていた事実の内容が問題になります。発覚時に何を知っていたのか、相手がどのように説明したのかを記録しておきましょう。

結婚から長期間経過している場合

結婚式から長期間経過した後に離婚する場合、婚約中の不貞と結婚式費用との関係は弱くなりやすいです。結婚式費用はすでに婚姻生活の開始時に消費された費用であり、その後の夫婦関係や離婚原因が別に存在することもあります。

この場合は、結婚式費用の返還よりも、不貞慰謝料、離婚慰謝料、財産分与、婚姻費用、養育費など、離婚条件全体の中で整理する方が現実的なことがあります。

請求額が総額ベースで過大な場合

結婚式費用、家具家電、引越費用、慰謝料、ご祝儀、結納金が一括で請求されている場合は、費目ごとに分解して確認しましょう。祝儀で支払った費用、売却済みの家具家電、すでに相手が負担した費用、証拠のない費用まで含まれていると、請求額が過大になっていることがあります。

不倫慰謝料と結婚式費用をあわせて請求された側の整理は、不倫慰謝料と結婚式費用・ご祝儀|請求されたときの考え方も参考になります。

不貞相手に結婚式費用まで請求できるか

婚約中の不貞では、元婚約者・元配偶者だけでなく、不貞相手に対する請求が問題になることもあります。ただし、不貞相手に結婚式費用や新生活準備費用まで請求できるかは、元婚約者に対する請求より慎重に検討する必要があります。

不貞相手が婚約を知っていたかが重要

不貞相手に責任を問うには、不貞相手が相手の婚約を知っていたか、少なくとも知り得たかが重要です。婚約していることを知らず、結婚式準備の事情も知らなかった場合、結婚式費用まで負担させることは難しくなります。

一方で、不貞相手が婚約や結婚式予定を知りながら性的関係を続けた場合には、慰謝料請求の余地があります。もっとも、結婚式費用や新生活準備費用は、婚約当事者間の準備や費用負担と密接に関わるため、不貞相手にどこまで相当因果関係が認められるかは個別判断です。

不貞相手への請求は慰謝料中心になりやすい

実務上、不貞相手への請求は、精神的苦痛に対する慰謝料が中心になりやすいです。結婚式費用や家具家電まで請求する場合は、不貞相手が婚約中の関係、挙式予定、新生活準備、発覚すれば婚姻が破綻する可能性をどこまで認識していたかを説明する必要があります。

不貞相手への請求と、元婚約者・元配偶者への請求を混同すると、請求根拠や金額が不明確になります。誰に対して、どの費目を、どの法的根拠で請求するのかを分けて整理しましょう。

請求する側が準備すべき証拠

結婚式費用まで請求するには、感情的な主張だけでは足りません。婚約成立、不貞、発覚時期、婚姻破綻、費用支出、控除要素を証拠で整理する必要があります。

時系列表を作る

まず、交際開始、プロポーズ、両家挨拶、式場予約、結納、指輪購入、新居契約、家具家電購入、不貞の開始・継続、発覚、別居、離婚協議開始までを時系列でまとめます。

婚約中の不貞では、特に「婚約成立後に不貞があったこと」と「不貞を知らずに結婚式費用を支出したこと」が重要です。日付が曖昧なままでは、相手から「婚約前の話だ」「費用支出後の不貞だ」と反論される可能性があります。

費用一覧と証拠を対応させる

結婚式費用や新生活準備費用は、一覧表にして、各費目について契約書、請求書、領収書、カード明細、振込履歴を対応させます。請求額には、返金、祝儀、売却代金、相手負担分などの控除も入れて、純損害が分かる形にしましょう。

証拠の種類 確認する内容 使い方
婚約成立の資料 プロポーズ、式場予約、両家挨拶、結納、指輪購入 婚約成立時期を示す
不貞の資料 メール、LINE、写真、相手の自認、ホテル利用をうかがわせる資料 不貞の時期・回数・継続性を示す
費用資料 式場請求書、衣装代、家具家電、引越費用、新居費用 支出額と支出時期を示す
控除資料 祝儀帳、売却明細、返金明細、結納金の資料 純損害を計算する
発覚後の資料 別居経緯、離婚協議、診断書、相談記録 婚姻破綻や精神的苦痛を説明する

請求前に費目ごとの根拠を整理する

請求書や通知書を送る前に、慰謝料、結婚式費用、新生活準備費用、結納金・指輪、弁護士費用などを分けて整理しましょう。まとめて高額請求すると、相手が反発しやすく、交渉が進まないことがあります。

請求された側も、同じ表を使って、婚約成立、不貞時期、支出時期、控除要素、証拠の有無を確認します。特に、結婚式費用やご祝儀をめぐる請求は二重取りになりやすいため、総額ではなく実質負担額で話し合うことが大切です。

よくある質問

婚約中の浮気なら必ず結婚式費用を請求できますか?

必ずではありません。婚約成立後に性的関係があったことに加え、それを知っていれば結婚式を挙げなかったといえる事情が必要です。請求額も、支出総額ではなく、祝儀や売却代金などを控除した純損害で整理されます。

結納前の浮気でも請求できますか?

結納前でも、すでに婚約が成立していれば請求できる余地があります。婚約は結納がなければ成立しないものではありません。両親への結婚申入れ、式場予約、結婚準備などから、いつ婚約が成立したかを確認します。

結婚後に浮気が発覚した場合、結婚前の浮気でも慰謝料請求できますか?

婚約成立後の不貞であれば、結婚後に発覚した場合でも慰謝料請求の余地があります。特に、婚約中から婚姻後まで関係が続いていた場合は重大です。ただし、婚約前の単なる交際中の浮気にとどまる場合は、法的請求が難しくなりやすいです。

ご祝儀は全額返す必要がありますか?

参列者に対して法律上当然に返すという問題ではなく、請求額の計算上、祝儀で支払った費用や手元に残った祝儀をどう扱うかが問題になります。結婚式費用を請求する場合は、祝儀を控除しないと二重取りのように見えることがあります。

不貞相手にも結婚式費用を請求できますか?

不貞相手が婚約や結婚式予定を知っていた場合、慰謝料請求の余地はあります。ただし、結婚式費用や新生活準備費用は婚約当事者間の事情と結び付きが強いため、不貞相手にどこまで請求できるかは慎重な検討が必要です。

まとめ|婚約中の不貞は慰謝料だけでなく費用損害も問題になり得る

結婚前・婚約中の不貞で結婚式費用まで請求できるかは、婚約成立後の不貞か、不貞を知っていれば挙式や新生活準備をしなかったといえるか、支出した費用と不貞との因果関係があるかによって決まります。

  • 婚約成立後の不貞は、守操義務違反として不法行為になる余地があります。
  • 結婚式費用まで請求するには、不貞を知らずに挙式・新生活準備をしたことが重要です。
  • 佐賀地裁平成25年2月14日判決は、結婚式費用、新生活費用、慰謝料を認めた重要な裁判例です。
  • ただし、祝儀、売却代金、結納金、返金などは控除されやすく、総額請求は危険です。
  • 請求する側も請求された側も、婚約成立時期・不貞時期・費用支出時期を時系列で整理しましょう。

婚約中の不貞が発覚した場合、怒りやショックから、結婚式費用やご祝儀をすべて返してほしいと感じることがあります。しかし、法的には、慰謝料、結婚式費用、新生活準備費用、結納金、祝儀を分けて整理し、控除後の損害額を検討する必要があります。早い段階で証拠と費用を整理し、必要に応じて弁護士に相談しながら、請求内容や反論方針を決めましょう。

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