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相続が生じた場合の銀行預金の引出し

被相続人(ご両親等)が亡くなったことが銀行に伝わると、被相続人名義の口座は凍結されてしまい入出金が出来なくなります。これは遺産分割協議時のトラブルに銀行が巻き込まれることを防ぐ目的です。

そこで、相続が生じた場合の銀行預金の引出し方法が問題となります。

凍結された銀行預金の名義変更

被相続人が亡くなったため凍結された銀行口座から預金を引き出すためには遺産分割協議書が必要とされます。相続人同士で遺産の分配方法が決まったら、遺産分割協議書を作成の上で銀行預金の名義変更手続を行います。

一般的には銀行預金の引出しのためには以下の書類が必要とされます(詳細については各銀行にお問い合わせ下さい。)。

  • 銀行所定の申請書
  • (もしあれば)通帳
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(実印押印済)
  • 各相続人の印鑑証明書

葬儀費用等について

上記のとおり、被相続人が亡くなった場合は銀行口座は凍結され、遺産分割協議がまとまるまで銀行預金を引き出せません。しかし、遺産分割協議がまとまる前に葬儀費用や法要費用が必要となるため、被相続人名義の銀行預金口座から費用を引き出したいと考える方は多いです。

このような場合、銀行に対して相談してみる方法もありますが、もし可能であれば事前に贈与する等の対策が望ましいと言えます。例えば、子どもに対する年110万円までの贈与は課税されませんので、相続税対策にもなります(亡くなる3年以内の贈与は相続財産とみなされることには注意が必要です。)。

なお、お通夜・告別式の費用は相続税に関して控除されますが、法要費用は控除されませんので、四十九日等の法要費用については税務署から指摘を受けることがあります。

相続税との関係

また、相続開始後の銀行預金口座凍結を見越して、予め銀行預金口座を全部引き出す場合があります。このようなケースは、後々に相続人同士のトラブルになることが多いですし、また、相続税対策になると考える方がいますが、原則として死亡直前に預金を引き出しても相続税の対象となるので注意が必要です。

相続税の調査においては、相続直前の銀行預金の履歴確認は必ず行われますし、税務署が銀行に対して問い合わせることもあります。例えば、国税不服審判所昭和54年6月21日裁決では、被相続人が死亡の4日前に銀行口座から4000万円を引き出した事案について、被相続人の死亡直前の状況により、資産の取得、債務の返済、その他費消等のために支出された事実が認められないことを理由に、当該現金を相続税の対象としました。

預貯金の仮払い制度(民法909条の2)

相続法改正により2019年7月1日から遺産分割前に預貯金の仮払いを受けられる制度がスタートしました。

出金できる金額は以下のいずれかの低い方の金額です。

  • 死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1
  • 150万円

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