サブリース契約について、サブリース会社から「貸主からは解約できない」「正当事由が必要」「違約金を払っても終了しない」と言われることがあります。結論として、契約書に中途解約条項があるだけで必ず終了できるわけではありません。しかし、サブリース契約を貸主から終了させることが一切できないわけでもありません。
重要なのは、契約類型、終了ルート、貸主側の必要性、サブリース会社側の不利益、入居者をどう承継するか、立退料をどのように位置付けるかを、事案ごとに組み立てることです。この記事では、貸主・物件オーナー側の立場から、サブリース契約を解約できないと言われる理由と、裁判例上の勝敗分岐を解説します。サブリース問題全体の相談窓口は、貸主・オーナー向けのサブリース法律相談案内もご覧ください。
- 普通建物賃貸借に当たる場合、契約書の解約条項だけでなく、借地借家法28条の正当事由が問題になることがあります。
- 正当事由は一つの事情だけで決まりません。売却・ローン・生活上の必要性、会社側の転貸差益、契約経過、管理状況、立退料などを総合します。
- 立退料に固定相場はありません。過去の裁判例の金額は参考にはなりますが、物件価格、賃料、残存利益、承継方法により変わります。
- 入居者を退去させずに終了する方法もあります。物理的な明渡しではなく、指図による占有移転が問題となる事案があります。

- 2009年 京都大学法学部卒業
- 20011年 京都大学法科大学院修了
- 2011年 司法試験合格
- 2012年 森・濱田松本法律事務所入所
- 2016年 アイシア法律事務所設立
Contents
サブリース契約を「解約できない」と言われる主な理由
貸主とサブリース会社との契約は、一般にマスターリース契約、一括借上契約、家賃保証契約などと呼ばれます。名称が管理委託契約に近いものであっても、貸主が建物を会社に貸し、会社が第三者へ転貸する実態があれば、建物賃貸借として扱われることがあります。
建物賃貸借として普通建物賃貸借に当たる場合、貸主から期間満了時に更新を拒絶したり、期間の定めのない契約を解約したりするには、借地借家法28条の正当事由が問題となります。また、借地借家法30条は、借家人に不利な特約を一定範囲で無効とするため、契約書に「3か月前に通知すれば解約できる」と書かれていても、それだけで常に終了できるとは限りません。
サブリース会社は「住んでいない」ので保護されない、とはいえない
サブリース会社は建物に居住しているわけではなく、転貸事業として建物を利用しています。そのため、一般の居住用借家とは事情が異なります。しかし、裁判例では、会社が転貸事業により得る経済的利益や、転借人との契約関係も考慮されています。
したがって、「会社は自分で使っていないから必要性はゼロ」「貸主が所有者だから自由に戻せる」と単純にはいえません。反対に、会社側の利益が転貸差益に限られ、その金額が小さい場合や、貸主が入居者との関係を承継して転借人の利用を維持できる場合には、契約終了の方向へ傾くことがあります。
有効な定期建物賃貸借かどうかを最初に確認する
有効な定期建物賃貸借であれば、原則として期間満了により終了する方向で検討できます。ただし、契約書の表題に「定期」と書かれているだけでは足りません。定期建物賃貸借として必要な書面、事前説明、期間満了通知などが整っているかを確認する必要があります。
有効な定期建物賃貸借か、普通建物賃貸借か、管理委託的要素の強い契約かにより、使える終了ルートは変わります。サブリース解約を検討するときは、まず契約書類一式と更新経過を確認することが出発点です。
サブリース契約を終了する主なルート
サブリース契約の終了方法は、一つではありません。最初から「解除通知を出せばよい」と決め打ちすると、解除が否定されたときに出口を失うことがあります。主なルートは次のとおりです。
| 終了ルート | 主な場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 合意解約 | 双方が終了日、金銭、入居者承継、資料引渡しに合意する場合 | 敷金、前払賃料、契約書、鍵、入居者通知まで合意書に入れる必要があります。 |
| 有効な定期建物賃貸借の期間満了 | 定期建物賃貸借としての要件が整っている場合 | 事前説明や期間満了通知を欠くと争いになることがあります。 |
| 債務不履行解除 | 賃料不払い、重大な契約違反、無断転貸、管理義務違反などがある場合 | 違反があっても、信頼関係破壊に至らないとして解除が否定されることがあります。 |
| 更新拒絶・解約申入れ | 普通建物賃貸借で、貸主から終了を求める場合 | 借地借家法28条の正当事由と、立退料・承継方法が問題になります。 |
| 出口準備型の交渉 | 現時点の正当事由が弱く、次回更新や管理不備の是正過程を使う場合 | 短期更新、是正要求、管理記録、売却査定などを積み上げる必要があります。 |
賃料の未払いや無断控除がある場合でも、契約を終了させる話と、確定した金銭を回収する話は分けて考える必要があります。未払保証賃料や預り金の回収が中心であれば、サブリース会社の賃料未払い・無断控除等の回収方法をご確認ください。また、賃料額そのものの増減を争う場合は、サブリース会社からの賃料減額請求への対応が中心になります。
軽微な未払いだけで解除できるとは限らない
東京地裁令和5年4月27日判決は、サブリース会社による少額の不足送金について、長期間続いていた事情があっても、金額、原因、事後対応などから信頼関係破壊による解除を否定しました。他方で、同じ事案で、更新拒絶と立退料を組み合わせた終了は認められています。
このように、債務不履行解除が難しい事案でも、更新拒絶、立退料、指図による占有移転という別ルートで解決できることがあります。逆に、正当事由ルートの準備が不足しているのに解除通知だけを出すと、訴訟で不利になることがあります。
借地借家法28条の正当事由で見られる事情
正当事由は、貸主側の必要性だけで決まるものではありません。サブリース事案では、次の事情を総合して検討します。
| 判断要素 | 貸主側に有利になり得る事情 | 貸主側に不利になり得る事情 |
|---|---|---|
| 貸主側の必要性 | ローン完済、高額売却、生活費、施設費用、直接管理の必要性、平穏生活の確保 | 単なる収益増加希望、裏付けのない相続対策、抽象的な自己使用 |
| 会社側の必要性 | 転貸差益が少額、逆ざや、長期間利益を得ている、会社規模が大きい | 転貸事業上の利益が大きい、投下資本が未回収、契約締結直後である |
| 従前の経過 | 短期更新、終了を見据えた協議、是正要求、管理不備の記録 | 長期更新を繰り返し、突然終了を求めた、更新時に問題提起していない |
| 利用・管理状況 | 入居者把握不足、騒音、ゴミ出し、用途違反、報告不足 | 管理が適切で、貸主の不満が賃料額だけである |
| 転借人への影響 | 貸主が転貸人の地位を承継し、入居者の利用を維持できる | 入居者を退去させる前提で、承継体制がない |
| 財産上の給付 | 会社側の残存利益や初期費用を合理的に補う立退料 | 提示額が少額すぎる、支払意思や上限が不明確 |
売却・ローン返済は資料で具体化する
「サブリースを外した方が高く売れる」という一般論だけでは、正当事由として弱くなりがちです。サブリースあり・なしの査定額、ローン残高、返済計画、新たな住宅ローンや事業資金の審査結果、売却時期、必要資金を資料で示す必要があります。
東京地裁令和5年12月8日判決では、ローン残高、サブリース付きの場合とそうでない場合の査定差、サブリース会社の転貸差益などが具体的に検討されました。売却目的を主張する場合は、感覚的な説明ではなく、数字で比較できる資料を準備することが重要です。
生活上の必要性や家族援助も具体的資料が必要
東京地裁令和6年3月28日判決では、貸主の生活上の必要性、家族への援助、将来の施設費用などが考慮されました。公開された裁判例の事実関係をそのまま自分の案件に当てはめることはできませんが、生活資金や施設費用を理由とする場合も、収支、医療・介護、家族援助、将来の支出見込みなどを具体的に示すことが必要です。
管理不備は一回のミスではなく経過が重要になる
管理不備を正当事由として主張する場合、単に「管理が悪い」と述べるだけでは足りません。入居者の騒音、ゴミ出し、無断同居、用途違反、苦情対応の放置、報告不足などについて、いつ、何を求め、会社がどう対応したのかを記録する必要があります。
東京地裁令和5年7月20日判決と東京高裁令和6年1月18日判決では、契約期間を短くしながら管理改善状況を確認してきた経過や、入居者管理への不安が重視されました。現時点で事情が弱い場合でも、是正要求と短期更新を通じて、将来の出口を準備する方法があります。
解約が否定された裁判例から分かること
サブリース契約の終了を考える際は、認められた裁判例だけでなく、否定された裁判例を確認することが重要です。否定例は、どの事情が不足すると敗訴しやすいかを示します。
| 裁判例 | 結論 | ポイント |
|---|---|---|
| 東京地裁平成24年1月20日判決 | 更新拒絶を否定 | 直接賃貸による収益改善や本社利用の必要性は強い事情とされず、会社の転貸事業上の利益や転借人の利用が重視されました。承継申出や300万円の提示があっても、正当事由を補えませんでした。 |
| 東京地裁令和元年11月26日判決 | 3物件とも請求棄却 | 契約書上の自由解約条項だけでは足りず、正当事由が必要と判断されました。相続対策や高額売却の裏付けが弱く、提示額も会社側の利益に比べて少額と評価されました。 |
収益を増やしたいだけでは弱い
平成24年判決は、貸主がより高い賃料を得たいという事情について、賃料増額請求など別の手段もあるとして、契約終了の必要性を強く認めませんでした。収益改善目的が一切考慮されないわけではありませんが、売却、ローン、生活上の必要性、管理不備、承継体制、立退料などと組み合わせて具体化する必要があります。
少額の立退料提示では補完しきれないことがある
令和元年判決では、3物件について提示された金額が差額賃料1か月分の合計にとどまるなど、会社側の不利益に比べて少額とされました。裁判では「裁判所が相当額を決めてくれるだろう」と期待するだけでは危険です。訴訟前から、会社側の転貸差益や残存利益を見積もり、現実に支払える範囲を検討する必要があります。
解約が認められた裁判例から分かる勝敗分岐
近時の裁判例では、貸主の具体的必要性、会社側利益の小ささ、入居者承継、立退料を組み合わせて、サブリース契約の終了を認めた例があります。以下は、一般的な相場表ではなく、勝敗分岐を理解するための比較です。
| 裁判例 | 主な事情 | 結論のポイント |
|---|---|---|
| 東京地裁平成27年8月5日判決 | 占有負担のない売却、老後資金、転借人承継 | 50万円の支払と指図による占有移転を組み合わせ、契約終了が認められました。 |
| 東京地裁令和5年4月27日判決 | 自宅購入のローン審査、既存ローン、売却困難、会社側利益は経済的利益中心 | 不足送金による解除は否定されましたが、立退料と指図による占有移転により更新拒絶が認められました。 |
| 東京地裁令和5年7月20日判決・東京高裁令和6年1月18日判決 | 同じ建物に住む貸主の平穏生活、管理改善確認、短期更新の経過 | 管理状況と契約更新の経過を重視し、更新拒絶が認められました。 |
| 東京地裁令和5年12月8日判決 | ローン完済のための高額売却、サブリースあり・なしの査定差、月額差益の数値化 | 67万6000円の支払により正当事由が補完されました。 |
| 東京地裁令和6年3月28日判決 | 生活費、家族援助、将来の施設費用、売却、会社の累積利益 | 100万円の支払と指図による占有移転により終了が認められました。 |
| 東京地裁令和7年2月21日判決 | ローン負担、収支赤字、より高額な売却、会社側の転貸差益が小さい事情 | 37万5000円の支払と指図による占有移転により終了が認められました。 |
売却目的は、査定差と必要資金で説明する
売却を理由とする場合、裁判例は、単に「高く売りたい」という希望だけでなく、ローン完済、新居購入、生活資金、サブリース負担の有無による査定差などを具体的に見ています。売却査定は1社だけでなく、サブリース付きの場合と外した場合を比較できる形で複数取得することが有用です。
会社側の転貸差益が小さいと終了方向に傾きやすい
サブリース会社側の必要性は、転貸差益、残存期間、投下資本回収、管理戸数、事業全体への影響などから見ます。会社が得ている利益が少額で、貸主が転借人との関係を承継し、相当な金銭を支払う場合には、会社側の不利益が限定的と評価されることがあります。
管理不備型は、時間をかけた準備が効く
管理不備がある場合、直ちに解除できると考えるのではなく、管理状況の報告要求、是正要求、短期更新、改善状況の確認という経過を作ることが重要です。裁判所は、問題の存在だけでなく、貸主がそれをどのように問題化し、会社がどう対応したかを見ます。
立退料は「払えば必ず解約できる金額」ではない
立退料は、正当事由を補完する事情の一つです。貸主側の必要性が弱く、会社側の不利益が大きい場合には、金銭を提示しても正当事由を補えないことがあります。また、過去の裁判例の金額を、そのまま自分の案件の相場として使うこともできません。
| 裁判例 | 立退料等 | 読み方 |
|---|---|---|
| 東京地裁平成27年8月5日判決 | 50万円 | 売却必要性、会社側利益、転借人承継を含めた判断です。 |
| 東京地裁令和5年4月27日判決 | 41万1138円 | 約定上の一定額を踏まえつつ、更新拒絶ルートで認められました。 |
| 東京地裁令和5年12月8日判決 | 67万6000円 | 会社側の月額差益と残存利益の補填が意識されています。 |
| 東京地裁令和6年3月28日判決 | 100万円 | 残存差益、初期費用、貸主が客付け済み契約を承継する利益などが総合されています。 |
| 東京地裁令和7年2月21日判決 | 37万5000円 | 転貸差益の小ささや逆ざや、契約条項、承継方法が考慮されています。 |
立退料を検討するときは、月額転貸差益、契約残存期間、これまでの累積利益、客付け費用、空室リスク、入居者をそのまま承継する利益、契約条項上の補償額などを整理します。単純に「賃料の何か月分」と決めるのではなく、会社側が契約終了により失う利益を数字で検討することが必要です。
なお、サブリース会社側から契約を打ち切られた場合の違約金・損害回収は、本記事とは立場が逆になります。その場合は、サブリース会社から中途解約された貸主の損害回収をご確認ください。
入居者を退去させない「指図による占有移転」
サブリース契約の解約というと、入居者を全員退去させるイメージを持つ方がいます。しかし、裁判例では、転借人が入居したまま、サブリース会社だけを契約関係から外す形が問題となることがあります。
転借人が建物を占有している場合、サブリース会社に物理的な明渡しを命じても、現実の占有関係に合わないことがあります。その場合、サブリース会社が転借人に対して持っている建物返還請求権を貸主に譲渡し、転借人に対して今後は貸主のために占有するよう通知する、いわゆる指図による占有移転が用いられることがあります。
指図による占有移転は、入居者の居住や営業を維持しながら、貸主が転貸人に近い立場を引き継ぐ出口です。これにより、転借人への影響を小さくし、正当事由を補強できる場合があります。ただし、転借人の地位や敷金、保証会社、賃料振込先、契約書、鍵、個人情報の引継ぎは自動的に整うわけではありません。
契約終了後の入居者・敷金・鍵・契約書の引継ぎは、サブリースから管理会社を変更する方法で詳しく解説しています。
サブリース解約のために準備すべき資料
裁判例を見ると、正当事由の有無は、抽象的な主張ではなく、契約書、時系列、数字、管理記録で判断されています。相談前に、次の資料を整理しておくと検討が進みやすくなります。
| 分類 | 準備する資料 |
|---|---|
| 契約関係 | マスターリース契約書、一括借上契約書、更新契約書、覚書、変更合意書、定期建物賃貸借の説明書、解約・更新拒絶条項 |
| 時系列 | 契約開始日、更新日、満了日、通知期限、過去の減額交渉、解約交渉、会社からの回答 |
| 貸主側の必要性 | ローン残高証明、返済予定表、売却査定、資金需要、生活費・施設費用、自己使用又は直接管理の計画 |
| 会社側利益 | 保証賃料、実際の転貸賃料、レントロール、管理費、空室負担、転貸差益の推定資料 |
| 管理状況 | 入居者苦情、騒音・ゴミ・用途違反の記録、写真、メール、是正要求、報告不足の記録 |
| 出口準備 | 新管理会社の候補、入居者承継の方針、敷金・保証会社・鍵・契約書の引継ぎ項目 |
資料が多い場合は、まず「契約関係」「貸主の必要性」「会社側利益」「管理不備」「入居者承継」の5分類に分け、時系列表を作ると整理しやすくなります。弁護士へ解約を依頼する費用や流れは、サブリース解約を弁護士に依頼する場合の費用・流れ・受任基準をご覧ください。
交渉・訴訟を始める前の注意点
更新期限・通知期限を先に確認する
契約期間満了、更新拒絶、解約申入れには、契約上又は法律上の期限が関係します。通知が遅れると自動更新され、次の機会まで待たなければならないことがあります。売却や借換えの予定がある場合は、希望時期から逆算して準備する必要があります。
相手方へ送る文面は、後の訴訟資料になる
「一方的に解約します」「違約金を払うので出てください」といった通知は、後の交渉・訴訟で不利に使われることがあります。通知書には、どの終了ルートを使うのか、どの事実を根拠にするのか、立退料や承継をどう考えるのかを整理しておく必要があります。
少額案件では費用対効果も確認する
サブリース解約の訴訟は、契約書、賃料、売却査定、入居者、管理履歴など多くの資料を扱います。区分一室でも相談対象になることはありますが、売却価格差、将来収益、未払金、敷金、立退料、管理切替費用、弁護士費用を比較し、費用をかけても利益が残るかを確認する必要があります。
サブリース解約に関するよくある質問
契約書に3か月前通知で解約できると書いてあります。それでも解約できませんか。
普通建物賃貸借として借地借家法が適用される場合、その条項だけで当然に終了できるとは限りません。条項の文言、契約類型、更新経過、借地借家法28条・30条との関係を確認する必要があります。
立退料を支払えば必ずサブリース契約を終了できますか。
必ず終了できるわけではありません。立退料は正当事由を補う事情の一つです。貸主側の必要性が弱く、会社側の不利益が大きい場合には、金銭を提示しても補いきれないことがあります。
物件を高く売りたいという理由は正当事由になりますか。
売却目的が常に認められるわけではありません。ただし、ローン返済、生活資金、サブリースあり・なしの査定差、売却時期、会社側の転貸差益などを具体的に示せる場合には、考慮される可能性があります。
サブリース会社の管理が悪い場合は解除できますか。
管理不備があっても、一回のミスだけで解除できるとは限りません。入居者トラブル、報告不足、是正要求、短期更新の経過などを継続的に記録し、信頼関係破壊又は正当事由の事情として位置付ける必要があります。
入居者にも退去してもらう必要がありますか。
必ずしも退去が必要とは限りません。入居者が残る場合には、物理的な明渡しではなく、返還請求権の譲渡と通知による指図による占有移転が問題となることがあります。入居者承継、敷金、保証会社、賃料振込先の切替えもあわせて設計します。
内容証明を送れば解約交渉は進みますか。
内容証明は交渉の出発点になることがありますが、内容次第では相手方に反論材料を与えることもあります。どの終了ルートを使うか、どの資料を添えるか、立退料や承継をどう提示するかを整理してから送るべきです。
弁護士に相談するタイミングはいつがよいですか。
更新期限や通知期限が近い場合、売却や借換えを予定している場合、会社が解約に応じない場合、管理不備や未払金もある場合は、早めに相談することをおすすめします。契約書、更新日、物件一覧、賃料資料、売却査定、会社とのやり取りを整理しておくと、検討が進みやすくなります。
全国からオンラインで相談できますか。
当事務所は、貸主・物件オーナー側のサブリース問題について、全国からオンライン相談に対応しています。物件所在地が遠方でも、契約書や資料を事前に共有できれば、契約類型、正当事由、立退料、入居者承継の見通しを検討できます。
まとめ
- サブリース契約は、契約書に解約条項があるだけで自由に終了できるとは限りません。
- 普通建物賃貸借に当たる場合、貸主からの更新拒絶・解約申入れには、借地借家法28条の正当事由が問題になります。
- 正当事由は、売却・ローン・生活上の必要性、会社側の転貸差益、管理不備、契約経過、入居者承継、立退料を総合して判断されます。
- 立退料に固定相場はなく、会社側の残存利益や初期費用、承継方法に応じて検討する必要があります。
- 入居者を退去させず、指図による占有移転により所有者側へ管理を移す出口が有効なことがあります。
サブリース契約を解約できないと言われた場合でも、すぐに諦める必要はありません。一方で、契約条項だけを根拠に強い通知を送るのも危険です。契約類型、更新期限、貸主側の必要性、会社側の利益、立退料、入居者承継を整理し、自分の案件が交渉向きか、出口準備型か、訴訟まで検討すべきかを確認してください。
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