ローン特約の例文は、金融機関名・融資金額・期限を空欄のまま写すのではなく、実際の資金計画と融資条件に合わせて作り替える必要があります。特に、融資承認取得期日と契約解除期日、自動解除型と解除権留保型、部分承認・条件付き承認、買主の申込義務と適用除外を曖昧にすると、住宅ローンが否決された後に手付金・違約金をめぐる紛争になりやすくなります。
この記事では、不動産売買契約に使うローン特約の条項例を複数示し、各文言の意味と修正ポイントを解説します。以下の例文は一般的な検討用であり、物件、融資目的、売主・買主の属性、金融機関の条件によって調整が必要です。契約締結前には、仲介業者、金融機関、必要に応じて弁護士へ確認してください。
- ローン特約では、金融機関・融資額・融資目的・二つの期限を具体的に書く
- 自動解除型か、買主からの解除通知が必要な型かを明確にする
- 一部承認・減額回答・追加担保・保証人条件をどう扱うか決める
- 買主の義務違反を理由に特約を外す場合は、対象行為と因果関係を限定する
- 期限延長時は、決済日だけでなくローン特約の期限と存続も書面化する

- 2009年 京都大学法学部卒業
- 20011年 京都大学法科大学院修了
- 2011年 司法試験合格
- 2012年 森・濱田松本法律事務所入所
- 2016年 アイシア法律事務所設立
Contents
結論:ローン特約の条項に最低限書くべき10項目
ローン特約の書き方で最初に確認すべき事項は、次の10項目です。例文を選ぶ前に、この表を実際の資金計画で埋めてください。
| 項目 | 記載する内容 | 曖昧な場合の主なリスク |
|---|---|---|
| 融資申込先 | 銀行名・支店名、又は選定方法 | 別銀行への申込みが必要か争いになる |
| 融資金額 | 必要額、最低承認額、諸費用を含むか | 減額回答が「承認」に当たるか争いになる |
| 融資目的 | 売買代金、建築費、諸費用、借換え等 | 対象外の資金まで特約で保護されるか不明になる |
| 借入期間等 | 必要に応じて期間、金利種別、返済方法 | 条件付き承認を受け入れる義務があるか不明になる |
| 承認の意味 | 正式審査の承認か、事前審査で足りるか | 仮審査通過だけで特約が終了したと主張される |
| 融資承認取得期日 | 正式承認を得る期限 | 審査中のまま期限を迎えた場合の扱いが不明になる |
| 契約解除期日 | 解除通知を行う期限 | 承認期限と解除期限を混同し、通知が遅れる |
| 解除の型 | 自動解除か、解除意思表示が必要か | 通知の要否・到達時期が争われる |
| 買主の義務・適用除外 | 申込期限、資料提出、虚偽申告等 | 「買主都合」の範囲が広がり過ぎる |
| 解除後の精算 | 手付金・内金・仲介手数料等の返還 | 何を誰がいつ返還するか争いになる |
ローン特約の基本的な仕組みから確認したい場合は、不動産売買のローン特約(融資特約)とはをご覧ください。以下では、上記10項目を条項へ落とし込む例を示します。
最初に決める:解除権留保型と自動解除型の違い
ローン特約には、大きく分けて、買主が期限内に解除の意思表示をする解除権留保型と、一定の条件が成就すれば契約が当然に終了する自動解除型(解除条件型)があります。どちらを採用するかによって、期限管理と通知方法が変わります。
| 型 | 契約を終わらせるために必要なこと | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 解除権留保型 | 融資未承認に加え、買主が契約解除期日までに解除意思を表示する | 売主への到達期限、通知先、方法を明確にする |
| 自動解除型 | 約定した期限までに融資承認が得られないという条件の成就 | 未承認の証拠、審査中・部分承認・条件付き承認の扱いを明確にする |
解除権留保型では、原則として意思表示が相手方へ到達して効力を生じるため、解除期限当日の発送だけでは間に合わないことがあります。通知の一般原則は、民法97条も確認してください。自動解除型では解除通知を要しない設計もできますが、解除条件が成就したかを双方で確認する手続を置くと、後日の紛争を減らせます。
条項例1:解除権留保型の基本例
買主が期限内に解除通知をする一般的な設計例です。角括弧内は、契約ごとに確定させる項目です。
第○条(融資利用の特約)
1 買主は、売買代金の支払に充てるため、[金融機関名・支店名]に対し、[融資金額]円、[借入期間]年、資金使途を[売買代金/売買代金及び諸費用]とする融資を申し込み、本契約締結後[○営業日]以内に、審査に通常必要な書類を提出する。
2 買主が前項の手続を行ったにもかかわらず、[融資承認取得期日]までに前項の融資の全部について正式な承認を得られないときは、買主は、売主に対し、[契約解除期日]までに書面又は本契約に記載した電子メールアドレスへの通知を到達させることにより、本契約を解除することができる。
3 前項による解除がされたときは、売主は、買主から受領した手付金、内金その他売買代金に充当される金員を、解除通知の到達後[○営業日]以内に、無利息で返還する。売主及び買主は、この解除を理由として相互に違約金又は損害賠償を請求しない。
4 買主が正当な理由なく第1項の申込み又は必要書類の提出を行わず、売主が相当期間を定めて書面で履行を求めても是正しなかったことにより融資承認が得られなかった場合、又は買主が故意に虚偽の資料を提出し、そのことが融資不承認の原因となった場合には、第2項を適用しない。
この例文のポイント
- 「住宅ローンが通らないとき」ではなく、金融機関、金額、目的、期限を具体化しています。
- 事前審査ではなく「正式な承認」を基準にしています。
- 解除通知の方法だけでなく、契約解除期日までの到達を要件にしています。
- 適用除外は、買主の行為だけでなく、その行為と融資不承認との因果関係まで要求しています。
- 仲介手数料は仲介業者との媒介契約の問題なので、この売買条項だけで当然に仲介業者を拘束する書き方にはしていません。
正式審査と事前審査の違いは、ローン特約と事前審査・本審査もご確認ください。
条項例2:期限到来で終了する自動解除型
融資未承認という条件が成就した場合に、自動的に契約を終了させる設計例です。
第○条(融資不成立を解除条件とする特約)
1 買主は、[金融機関名]に対し、[融資金額]円の融資を、本契約締結後[○営業日]以内に正式に申し込む。
2 買主が前項の申込み及び必要書類の提出を完了したにもかかわらず、[判定日]の午後[○時]までに、融資金額の全部について正式な承認が得られず、又は金融機関の審査が継続しているときは、本契約は同時刻の経過をもって自動的に終了する。
3 買主は、前項の事実を確認できる金融機関の通知、受付記録その他合理的な資料を、判明後速やかに売主へ提示する。資料の提示は、本契約が終了するための条件ではなく、終了事実を確認するためのものとする。
4 本契約が第2項により終了したときは、売主は、買主から受領した金員を[○営業日]以内に無利息で返還し、売主及び買主は互いに違約金又は損害賠償を請求しない。
自動解除型では、「期限までに結果が出なかった場合」を含めるかを明記します。「否決されたとき」だけでは、金融機関が回答しないまま期限を迎えた場合に条件が成就したか争いになるためです。また、自動解除後も当事者が契約の履行を続けると、特約の放棄、再合意、期限延長などが問題になることがあります。自動解除後に取引を続ける場合は、新しい契約又は明確な覚書を作成してください。
条項例3:指定金融機関・融資額・借入条件を特定する
金融機関や融資条件をどこまで特定するかは、買主保護と売主の予測可能性のバランスで決めます。「都市銀行ほか」「金融機関等」とだけ書くと、別の銀行、ノンバンク、追加担保付き融資まで申し込む義務があるか争いになることがあります。
別表(対象融資)
申込先:[○○銀行○○支店]
融資金額:[○○万円](うち売買代金充当額[○○万円]、諸費用充当額[○○万円])
資金使途:[自己居住用住宅の購入資金/土地購入及び建物建築資金/投資用不動産の取得資金]
借入期間:[○年]
想定する担保・保証:[本物件への第一順位抵当権/連帯保証人なし/共同担保として○○を提供]
融資承認取得期日:[年月日]
契約解除期日:[年月日]
複数の金融機関へ申し込む場合の例
買主は、[○○銀行]及び[△△銀行]のうち少なくとも1行に正式な融資申込みを行う。売主が別の金融機関への申込みを求める場合は、買主の事前の書面同意を要する。買主は、上記いずれの金融機関からも最低承認額[○○万円]以上の承認を得られないとき、本条に基づき解除することができる。
「ほか」と書く場合は、何行まで、誰が選ぶか、金利や担保条件の上限、申込期限を決めます。買主が事前相談で共同担保や保証人の条件を示されている場合、その条件を前提に契約するのか、条件が付いた承認を不承認として扱うのかも明記してください。
条項例4:一部承認・減額回答・条件付き承認を扱う
実務では、全額否決だけでなく、減額承認、自己資金の増額、別担保、連帯保証人、金利や期間の変更を条件とする回答があります。何を「承認」とみなすかを条項で決めておくと、後の争いを減らせます。
第○項(承認の範囲)
1 本条にいう融資の承認とは、買主が[最低承認額]円以上の融資を受けることができ、かつ、次項に定める追加条件を除き、融資実行に必要な金融機関の正式審査が完了したことをいう。
2 次の条件が付された回答は、買主が書面で受諾した場合を除き、本条の承認には含まれない。
(1)本契約締結時に予定していない不動産を共同担保として提供すること
(2)本契約締結時に予定していない者を連帯保証人又は連帯債務者とすること
(3)自己資金を[○○万円]を超えて追加すること
(4)融資額が[最低承認額]円を下回ること
(5)資金使途を変更し、売買代金の支払に必要な資金が不足すること
3 本契約締結時に別表で明示した担保、保証、自己資金その他の条件は、前項の「予定していない条件」に含まれない。
買主が受け入れたくない条件を後からすべて拒否できる条項にすると、売主側に過度な不確実性を負わせます。反対に、「金融機関が何らかの承認を出せば承認」とすると、必要額に足りない減額回答でもローン特約を使えないおそれがあります。最低承認額と、受入れ可能な担保・保証・自己資金を契約時に決めることが重要です。
条項例5:買主の申込義務と特約不適用事由
ローン特約は買主を保護する条項ですが、買主が意図的に審査を不成立にした場合まで保護するものではありません。ただし、「買主の事情により融資が実行されない場合は適用しない」とだけ書くと、病気、勤務先事情、保証人の撤回、金融機関の内部判断など、どこまでが買主の責任か争われます。
第○項(買主の協力義務及び適用除外)
1 買主は、対象融資の審査に通常必要な申込書、本人確認資料、所得資料、物件資料その他金融機関から合理的に求められた資料を、指定された期限までに提出し、内容に変更が生じた場合は速やかに金融機関及び売主へ通知する。
2 次の事由があり、かつ、その事由が融資の不承認又は不実行の主たる原因となった場合には、買主は本条に基づく解除をすることができない。
(1)正当な理由なく正式な申込みを行わなかったこと
(2)売主から相当期間を定めた書面による催告を受けても、必要書類を提出しなかったこと
(3)故意に重要な事実と異なる申告又は資料提出をしたこと
(4)融資承認後に、買主の判断で申込みを取り下げ、又は融資条件を重大に変更したこと
(5)契約時に合意した連帯保証人、共同担保又は自己資金の提供を、正当な理由なく撤回したこと
(6)審査中に新たな多額の借入れ、転職その他信用審査に重大な影響を与える変更を行い、これを申告しなかったこと
3 軽微な記載誤り、申込額の合理的な範囲の調整その他融資不承認との因果関係が認められない事情のみをもって、本条の適用を排除しない。
適用除外は、行為の有無だけでなく、融資不承認との因果関係を要件にするのが事故防止につながります。保証人や共同担保が融資条件である場合は、契約締結前に本人の了承と資料を確認し、単なる予定なのか確定条件なのかを別表へ記載してください。
条項例6:手付金・内金・仲介手数料の返還
ローン特約解除後に返す金銭は、売主が受領した手付金・内金と、仲介業者が受領した仲介手数料を分けて定めます。売買契約の当事者ではない仲介業者へ義務を負わせるには、仲介業者も条項に同意して署名するか、媒介契約に返還条項を置く必要があります。
売主が受領した金員の返還例
本条に基づき本契約が解除され、又は自動的に終了した場合、売主は、手付金、内金その他売買代金に充当する目的で買主から受領した金員の全額を、終了日から[○営業日]以内に、無利息で買主指定口座へ返還する。
媒介契約に置く仲介手数料返還例
対象売買契約が、同契約に定める融資不成立を理由として有効に解除され、又は解除条件の成就により終了した場合、宅地建物取引業者は、依頼者から受領した約定報酬を、終了の確認後[○営業日]以内に無利息で返還する。ただし、依頼者が別途書面で依頼し、通常の媒介業務を超えて実施した費用については、事前に合意した範囲で精算する。
仲介手数料の返還は売買契約とは別に判断されます。詳しくは、ローン特約解除後の仲介手数料の請求・返還をご確認ください。
条項例7:期限延長の覚書
融資審査が長引いたときに、決済日だけを延長しても、融資承認取得期日や契約解除期日が当然に延長されるとは限りません。延長する項目を一つずつ列挙し、ローン特約が引き続き有効であることを確認します。
ローン特約期限変更に関する覚書
売主及び買主は、[年月日]付不動産売買契約について、次のとおり合意する。
1 融資承認取得期日を、従前の[年月日]から[年月日]へ変更する。
2 融資利用の特約に基づく契約解除期日を、従前の[年月日]から[年月日]へ変更する。
3 残代金支払日、所有権移転日及び引渡日を、従前の[年月日]から[年月日]へ変更する。
4 前3項に定めるものを除き、原契約の融資利用の特約を含む各条項は、変更後も引き続き有効とする。
5 買主は、現在の審査状況及び追加提出資料を別紙記載のとおり売主へ報告し、結果が判明したときは速やかに通知する。
期限延長の詳しい判断と通知方法は、ローン特約の期限・解除通知・期限延長をご覧ください。すでに解除期限を過ぎている場合は、単純な日付訂正ではなく、特約が失効していないか、改めて特約を設定するのかまで整理する必要があります。
ローン特約の危険な書き方と修正例
| 危険な表現 | 問題点 | 修正の方向 |
|---|---|---|
| 「ローンが通らなければ白紙とする」 | 対象金融機関、金額、期限、通知の要否が不明 | 対象融資と解除手続を別表で特定する |
| 「都市銀行ほか」 | 地方銀行、信用金庫、ノンバンクまで含むか不明 | 銀行名又は選定条件、申込数を定める |
| 「融資承認まで本契約を保留する」 | 期限がなく、売主の立場が長期間不安定になる | 承認取得期日と契約終了時点を確定する |
| 「買主都合の場合は適用しない」 | 買主都合の範囲が広く、因果関係も不明 | 対象行為を列挙し、不承認の原因となった場合に限定する |
| 「一部でも承認されれば解除できない」 | 必要額に大幅に足りない承認でも契約履行を迫られる | 最低承認額を定める |
| 「条件付き承認も承認とする」 | 予想外の保証人・共同担保・自己資金を求められる | 受入れ可能な条件を契約時に特定する |
| 「解除は仲介業者へ連絡する」 | 仲介業者の代理権や売主への伝達時期が不明 | 売主への直接通知と仲介業者への写し送付を定める |
| 「受領済み金員を返還する」 | 手付金、内金、申込証拠金、報酬の範囲が不明 | 受領者と金員の種類を分けて記載する |
特に、「白紙」「ローンが通る」「買主の都合」といった日常語だけでは、裁判で必要となる要件を十分に示せません。誰が何をいつまでに行い、どの事実が生じたときに、どの法律効果が発生するかという形で書きます。
裁判例から分かる条項作成のポイント
| 裁判例 | 判断の要点 | 条項作成への反映 |
|---|---|---|
| 東京地裁平成31年1月9日判決 | 事前審査の承認があっても、融資承認取得期日までに正式審査の承認を得ていなければ「承認が得られないとき」に当たると判断した | 「承認」を正式審査の承認と定義し、事前審査と区別する |
| 東京地裁平成26年4月18日判決 | 事前に示され、買主が認識していた共同担保等の融資条件に沿う申込みがされなかったため、ローン特約の適用を否定した | 共同担保、保証人、自己資金等の前提条件を別表へ明記する |
| 東京地裁平成28年11月22日判決 | 申込額の合理的な調整や携帯電話割賦の申告差が直ちに返還拒絶事由になるとは認めず、適用除外事由の立証を求めた | 軽微な差だけで特約を外さず、不承認との因果関係を要件にする |
| 東京地裁令和元年6月11日判決 | 決済期限を延長しても、融資解除特約の期限・効力まで当然に延長されるとはいえないとした | 延長覚書で、承認期限、解除期限、決済日、特約の存続を個別に確認する |
これらは、同じ「ローン特約」という名称でも、文言と契約締結前後の説明・行動によって結論が変わることを示しています。類型別の裁判例は、ローン特約の裁判例と判断ポイントや、不動産適正取引推進機構のローン解除・特約による解除の裁判例も参考になります。
標準契約書の条項を使うときの注意点
業界団体の標準的な売買契約書は、条項構造を確認するうえで有用です。たとえば、全国宅地建物取引業協会連合会の不動産売買契約書例には、融資申込み、期限内に承認が得られない場合の自動解除、受領金・媒介報酬の返還、買主が必要手続をしない場合等の適用除外という構造が示されています。
しかし、標準書式を使う場合でも、別表の金融機関、融資額、提出期限、解除期限が実際の取引に合っていなければ機能しません。また、共同担保、ペアローン、収入合算、投資用融資、土地先行融資、建物建築費を含む融資、諸費用ローンなどは、標準欄だけでは条件を表し切れないことがあります。特約欄又は別紙で補充し、本文条項との優先関係も明記してください。
契約書へローン特約を入れる手順
- 資金計画を確定する
自己資金、売買代金、諸費用、既存借入れ、建築費を分け、最低限必要な融資額を計算します。 - 金融機関の事前相談条件を確認する
借入可能額だけでなく、保証人、共同担保、自己資金、完済年齢、融資目的を確認します。 - 解除の型を選ぶ
自動解除型か解除権留保型かを決め、解除通知の要否を明確にします。 - 二つの期限を現実的に設定する
正式審査に必要な期間を見込み、承認取得期日から解除期日までに通知準備の余裕を置きます。 - 部分承認・条件付き承認を定義する
最低承認額、追加担保、保証人、自己資金の許容範囲を決めます。 - 適用除外を限定する
買主の具体的義務と、不履行が融資不承認の原因となった場合に限定します。 - 返還条項を契約ごとに置く
売主の受領金は売買契約、仲介手数料は媒介契約又は仲介業者を含む合意で定めます。 - 全当事者が同じ書面を保管する
特約欄、別表、覚書、説明資料を一体として署名・押印し、写しを受領します。
契約締結後にローン特約がないことへ気付いた場合は、ローン特約なし・付け忘れの対処法をご確認ください。融資否決後に一方的に条項を追加することはできないため、売主との合意が必要です。
よくある質問
このページの例文をそのまま契約書に貼り付けてもよいですか
そのまま使用することは推奨できません。金融機関、融資額、物件、融資目的、保証人・共同担保、期限、仲介形態によって必要な文言が異なります。少なくとも角括弧部分を埋め、本文条項や別表との矛盾がないか確認してください。
融資申込先は必ず銀行名まで特定すべきですか
必ず一行に限定する必要はありませんが、単に「金融機関」とだけ書くと、どこまで申し込む義務があるか争われます。銀行名を列挙するか、申込数、選定権者、許容する金利・担保条件を定める方法があります。
事前審査に通っていればローン特約は不要ですか
事前審査通過後も、正式審査、団体信用生命保険、担保評価、申込内容の変更等によって融資が実行されないことがあります。正式承認・実行までのリスクを誰が負担するかを契約で決める必要があります。
一つの銀行が否決したら解除できる条項にできますか
できますが、指定銀行だけを対象にすることを明確にします。複数行への申込みを予定するなら、何行に、いつまでに申し込むか、どの時点で全体として不成立と扱うかを定めてください。
メールで解除通知をする条項でも有効ですか
当事者が通知方法としてメールを合意することは可能です。ただし、送信先アドレス、到達時刻、受信障害、担当者の権限が争われないよう、売主の指定アドレスを契約書に記載し、内容証明郵便や配達記録のある方法を併用する設計が安全です。
融資承認取得期日と契約解除期日は同じ日でもよいですか
同じ日にすることもできますが、審査結果を確認し、解除通知を作成して到達させる時間がありません。解除権留保型では、承認取得期日より後に契約解除期日を置き、通知のための余裕を確保する方が実務上は安全です。
解除期限を過ぎた後でも覚書で延長できますか
当事者が合意すれば、新たな期限や特約を設定できる余地はあります。ただし、すでに特約が失効又は契約が終了している可能性があるため、単に日付を書き換えず、原契約の存続、特約の再設定、受領金の扱いを明確にします。
配偶者の収入合算や連帯保証を使う場合は何を書くべきですか
配偶者が連帯債務者・連帯保証人になることが融資条件なら、本人の了承、必要資料、撤回時の扱いを明記します。配偶者の協力が得られない場合を直ちに金融機関側の否決として扱うと、特約不適用を争われることがあります。
投資用不動産でも同じ例文を使えますか
基本構造は共通しますが、投資用融資は物件収益、事業計画、既存借入れ、金利、共同担保、法人・個人の別など条件が異なります。住宅ローン用の「自己居住」を前提とする文言を流用せず、実際の融資目的と商品に合わせて作成してください。
ローン特約で解除した場合、違約金は必ず発生しませんか
特約の要件を満たして有効に解除できれば、通常は違約金を負担せず、受領金の返還を受けます。しかし、期限徒過、通知不備、申込義務違反、虚偽申告、合意済みの保証・担保条件の撤回等があると、特約不適用や違約金が問題になります。詳しくは、ローン特約と違約金・手付金返還をご確認ください。
まとめ
- ローン特約の例文は、金融機関、融資額、目的、承認の意味、二つの期限を具体化して使う
- 自動解除型と解除権留保型では、解除通知の要否と期限管理が異なる
- 部分承認、減額回答、条件付き承認は、最低承認額と許容条件を定める
- 買主の義務違反による適用除外は、具体的行為と融資不承認との因果関係を要件にする
- 売主の受領金と仲介業者の報酬は、契約を分けて返還条件を定める
- 期限延長時は、承認期限、解除期限、決済日、特約の存続を覚書で明示する
ローン特約は、短い一文でも手付金や違約金の負担を大きく左右します。標準書式や雛形は出発点にすぎません。事前相談で示された融資条件、買主が準備できる自己資金・担保・保証、正式審査に必要な期間を確認し、売主・買主の双方が同じ条件を理解できる条項にしてください。
ローン特約の文案確認、期限延長覚書、融資否決後の解除、手付金・違約金をめぐるご相談は、ローン特約(融資特約)トラブルの法律相談をご確認ください。
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