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M&Aの流れ:進め方のフローと必要な手続きについて

M&Aの流れ:進め方のフローと必要な手続きについて

M&Aは、検討・準備段階・買い手候補の選定段階・契約交渉段階・クロージングの手続き・完了後の対応という流れで進みます。M&Aによる会社・事業の売却を検討しているのであれば、予めM&Aの流れを把握しておくと心構えができます。

この記事では、売り手目線からM&Aの流れや進め方のポイント・必要な手続きについて弁護士が解説します。なお、M&Aの基本知識については下記記事も参考にしてください。
(参考)M&Aとは? なんの略か何をするかを売り手目線で分かりやすく解説

【本記事の執筆者】弁護士 坂尾陽 Akira sakao -Attorney at law-
2009年 京都大学法学部卒業

20011年 京都大学法科大学院修了

2011年 司法試験合格

2012年 森・濱田松本法律事務所入所

2016年 アイシア法律事務所設立

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M&Aの一般的な流れの概要

M&Aは、会社・事業を売却するものであり重要な取引です。会社・事業は千差万別であり、相場があるわけではありません。そのため、M&Aの流れは売り手・買い手がよく吟味しながら段階的に進んでいきます。

SETP①:検討・準備段階

一般的に、M&Aは売り手主導で進んでいきます。まず、売り手が会社・事業を売却することを考えるところからスタートします。

検討・準備段階の流れとしては、専門家・仲介会社にM&Aについて相談する、仲介契約を締結する、ノンネームシートを作成するなどの手続きが必要になります。

STEP②:買い手候補の選定段階

どの程度の情報を開示して、どのような条件で売却するかが決まったら買い手候補の選定を行います。M&Aは売り手市場であるため、適切な売却金額を設定した場合は複数の買い手候補が見つかることがあります。

買い手候補の選定の流れとしては、まずは具体的な企業名を非開示にした資料である「ノンネームシート」に基づいて買い手候補先を募集します。具体的に興味を示す買い手候補先が見つかった段階で、詳細・具体的な情報を伝える流れとなります(ネームクリアと呼びます。)。

STEP③:契約交渉段階

契約交渉段階では、まず基本合意書を取り交わし、会社・事業の調査を行うデュ―ディリジェンスを実施し、最終的な契約書を作成するという流れになります。

M&A実務においては、基本合意書と最終的な契約書という2段階のフローが一般的です。基本合意書は本格的な契約交渉に向けて作成するものであり、基本合意書を作成してもM&Aが破談になる場合もあるので油断できません。

STEP④:クロージング段階

クロージングとは、買い手側は譲渡価額を支払い、売り手側はM&Aの契約書に基づいて会社・事業の譲渡に必要な手続きを行うことをいいます。会社・事業は簡単に移転させることができません。そこで、M&Aの契約書において、売り手側が何をするべきかが定められるのです。

クロージング段階でどんな手続きが必要かは、どのようなM&Aのスキームを選択したかによっても異なります。

STEP⑤:完了後の経営統合フロー

M&Aのクロージングが完了した後の流れは、買い手企業により様々です。買い手企業にとっては、M&Aにより取得した会社・事業を今までの事業に統合することが非常に重要です(PMI:post merger integration)。

売り手としても必要に応じて完了後に会社・事業の運営に協力することもあり得るでしょう。

ここからは上記M&Aの流れ・フローに基づいて、進め方のポイントや必要な手続きを解説します。

M&Aの検討・準備段階について

M&Aの検討・準備段階においては、「会社・事業の売却を検討している」ことを秘密にすることが進めるうえで重要なポイントです。

M&Aの情報収集について

中小企業のオーナー様にとって、M&Aは初めての経験であることも多いです。そのため、まずはM&Aとは何か、誰に相談するべきかかも分からないところから流れがスタートします。

書籍・インターネットで調べる、M&Aのセミナーに参加するなどして情報収集を行うでしょう。しかし、会社・事業を売却しようとしていることが従業員に伝わると、従業員はショックを受けるかもしれません。そのためM&Aは社内にもなるべく秘密で進めることが重要です。

専門家・仲介会社への相談:アドバイザリーの選定

会社・事業を売却する決心がついたら、まずは専門家・仲介業者に相談することになります。M&Aについて助言をしてくれるアドバイザリーを選ぶ必要があります。

基本的に自分だけでM&Aの取引相手を見つけ、必要な手続きを進めるのは困難です。適切なマッチング・スムーズな交渉を行うためにM&Aに強い専門家や仲介業者に依頼しましょう。

アドバイザリーの選定手続きのポイントは、報酬体系を確認することです。M&Aが相当程度進んだものの、最終的な契約直前で破談することもあります。このような場合に、M&Aを行わないものの報酬を請求されてトラブルになることもあります。しっかり確認しましょう。

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ノンネームシートの作成

ノンネームシートは、買い手候補先を募集するための資料です。具体的な売り手企業の名前は出さずに、匿名で企業概要や条件などを記載する資料です。

この段階では、ある程度の売却希望金額を記載することもあります。適正な株価算定を設定することはスムーズにM&Aを進めるためのポイントです。

買い手候補先の選定段階

買い手候補先のリスト作成

適切な買い手候補先を見つけることはアドバイザリーが本領を発揮する手続きです。ロングリスト・ショートリストと言われるリストを作成し、買い手候補先を絞りこみます。

ネームクリア・企業概要書(IM)の開示

買い手候補先がまず見るのはノンネームシートです。ノンネームシートは売却企業が特定されないように抽象的な情報しか記載されていません。

そのため、ノンネームシートを見てとくに興味を示した買い手候補先に対しては、具体的な企業名をふくむより詳細な情報を提供する必要があります。売り手側の企業名を明らかにするという意味で「ネームクリア」と呼ばれます。

この段階では、一般的に買い手候補先との間で秘密保持契約を締結し、より詳細な情報を記載した企業概要書(IM:Information Memorandum)を提供します。

トップ面談の実施/意向表明書の提出

企業概要書の提供までで買い手候補先は数社に絞られるはずです。最終的な買い手候補先の選定段階では、必要に応じてトップ面談の実施・意向表明書の提出を行う流れになります。

トップ面談は、買い手候補先の2~3社に絞って、買い手候補先の経営者と会って「会社・事業を任せるのにふさわしい買い手候補か?」を確認するものです。細かな交渉を行うというよりは、お互いの経営方針を確認し、M&Aに対する考え方・M&A後の経営についてのビジョンなどをすり合わせるものです。

また、買い手側は契約交渉に進みたいと考えたときは「意向表明書」を提出する場合があります。意向表明書は、買い手側が考えるM&Aのスキーム、売却金額の目安、デュ―ディリジェンスのポイント、スケジュールの希望などを記載するものです。

買い手候補先が多数存在するような場合は、売り手側でフォーマットを指定して意向表明書を提出して貰う場合があります。共通したフォーマットがあることで、買い手候補先を比較検討ができるので便利です。ある意味では一種の入札のような雰囲気と言えるでしょう。

もっとも、意向表明書を提出せずに次の手続きに進める場合もあります。この辺りはM&Aの規模感などにもよるでしょう。

M&Aの契約交渉について

M&Aの契約交渉の流れとしては、ある程度の取引条件の大枠を基本合意書で定め、デュ―ディリジェンスを実施し、最終的な契約交渉を行うことになります。

契約交渉の進め方のポイントは、単純な売却金額以外にも様々な事項について交渉を行う必要があることを知っておくことです。また、M&Aの流れがここまで進んでも破談する場合があることを知っておきましょう。

基本合意書の締結

M&Aの契約交渉は、具体的な契約を行う前に一度基本合意書を締結するという流れになります。基本合意書では、M&Aのスキーム、譲渡価格の目安、独占交渉権・秘密保持義務、費用負担などについて定めます。

本格的にM&Aの契約交渉を進めるためには、会社・事業を調査するデュ―ディリジェンス・最終的な契約書作成について多大な費用が生じます。そこで契約交渉を進める前に、予めお互いが誠実に交渉手続きを行うことを基本合意書により約束する必要があるのです。

デュ―ディリジェンスの実施

会社・事業の強みや弱みは様々です。買い手側としては、会社・事業を買収するために会社・事業のことを調査する必要があります。これをデューデリジェンスと言います。

デューデリジェンスは、ビジネス・会計・法務などの面から会社・事業を精査するものです。買い手側のために行う手続きではありますが、売り手側が誠実に協力することがM&Aをスームズに進めるためのポイントです。

もっとも、デューデリジェンスの対応は売り手側にとっても重い負担となります。買い手候補先からなされる様々な質問に回答し、求められた資料を提出する必要があるからです。

とくに中小企業においては、十分な書類が整理されていない場合もあります。担当者に確認したり、社内の書類を探したりする必要もあるでしょう。そのため、デューデリジェンスの段階では、社内の一部従業員に対してM&Aを告知して協力して貰うこともあります。

最終的な契約交渉・契約締結

デューデリジェンスを踏まえて、最終的な契約交渉・契約締結を行います。どのような手法でM&Aを行うかによって契約の大枠が決まり、その中で詳細な条件を交渉することになります。

もっとも、M&Aの契約交渉においては、もっぱら買い手側が主導権を握ることになります。従って、売り手側は「どこまで譲歩するか?」、「買い手が求める手続きを実行できるか?」

を検討して防御的に対応することになります。

なぜなら、売り手側としてはM&Aの対価は金銭であるため、譲渡金額が重要な関心です。M&Aの契約で定められる様々な条件の大半は、買い手側の利益を確保するためにあるからです。

クロージングの手続き

クロージングは、M&Aの対価である譲渡代金を決済するとともに、会社・事業を譲渡する手続きです。売り手側としては、最終的な契約書に基づいて、会社・事業を買い手側に移転するために必要な行為を行います。

契約交渉・クロージングは法的知識が必要不可欠です。基本的にはM&Aに詳しい弁護士に協力を得ながら行っていくことになります。

完了後の経営統合フロー

売り手側にとって一般的なM&Aの進め方としては、上記クロージング手続きで完了します。しかし、実はM&A完了後の経営統合フローが、良いM&Aであったと評価できるかを考えるうえでは重要です。

買い手側にとっては、M&Aが完了した後の経営統合フローで失敗をすると、せっかく取得した会社・事業をうまく活用できません。M&A完了後の経営統合により、買い手側の事業とのシナジーが生まれればM&Aは成功と言えるでしょう。

まとめ:M&Aの流れをイメージする

M&Aは単純な取引ではありません。どのようなフローで進むのか、必要な手続きは何かというM&Aの流れを最初に把握しておけば、具体的なイメージが掴めるでしょう。

買い手側である大企業・上場企業はM&Aに慣れている場合もありますが、売り手である中小企業のオーナー様にとって会社・事業を売却するのは初めての経験かもしれません。手塩にかけて育てた会社・事業を売却するため、複雑な想いをされる方も少なくありません。

もちろん、売り手側にとってもM&Aは様々なメリットがあります。
(参考)M&Aのメリット・デメリットを売り手目線で解説

しかし、M&Aの手続きを進める上で根ほり葉ほり確認されてうんざりする場合もあるでしょう。予めM&Aの流れを知っておき、なぜ手続きが必要なのかを理解しておけば、スムーズにM&Aを進めることができます。この記事が会社・事業の売却を考えているオーナー経営者様のお役に立てましたら幸いです。

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